2020年版「診断士試験に合格された方へ、今準備したいこと」

昨年、合格者の方向けのブログを投稿してからあっという間に一年が経ってしまいました。その間、他の投稿をすることもさぼっておりました…。

昨年の記事に追加をして、今年ならではの必要なモノを中心にまとめていこうと思います。口述試験を終わられて、あとは実務補習を待つだけという皆様に向けて、特にITに苦手意識のある方に少しでもお役立ていたいだけることを期待して書いてみます。昨年の記事の補完となりますので、昨年の記事を読まれていない方はそちらを先にご覧いただくことをお勧めします。

https://wans-one.co.jp/wordpress/archives/1569

Webミーティングができる環境

ソーシャルディスタンスが求められるであろう今年度の実務補習ですが、特にその開催方法に変更があるという情報は今の所ありません。ただ、補習期間中の相互のやりとりについては、これまで以上にリモートツールを活用した手法がとられることは間違いないでしょう。

これまで会社から貸与された機器やツールでのリモートワークの経験があっても、ご自身で環境を用意されていないという方にとってはご不安点もあるかもしれません。以下のポイントをぜひ確認してみてください。

パソコン

個人用のパソコンがあまりにも古すぎてZoomなどのWebミーティングツールがうまく使えない、あるいはつながってもすぐに切れてしまうなどのお話はちょこちょこ耳にしています。乱暴な線引きの仕方ではありますが、4年以上前に購入したパソコン(一般的な価格帯・スペックのもの)を使われている方は買い替えを真剣に検討された方が良いでしょう。

これから購入する方、決して「中古のパソコン」を購入しようとは思わないでくださいね。パソコンは診断士にとって大切な道具です。プロが使う道具に費用を惜しんではいけません。

ネットワーク環境

ご自宅の通信環境について把握れさておられますか。Webミーティングの際に必要な速度を確保できているかの確認が必要です。Googleで「スピードテスト」と検索すると簡単に速度計測ができます。ここで下り10Mbps以下の速度が常態化しているような回線であればぜひ環境を見直してください。速度は一定のものではないので、時間帯を変えて何度か測ってみることをオススメします。日中は速度が出ていても、近隣の住民が帰ってくる夜になると速度が落ちるお宅は沢山あります。

Googleで「スピードテスト」「speedtest」と検索すると表示されるこの画面で計測可能

回線速度は大きく分けて、ご契約されている(引き込んでいる)回線そのものの速度の問題と、ご家庭内に設置しているWi-Fiルーターからパソコンまでの問題の2つに別れます(Wi-Fi利用の場合)。回線の問題なのか、Wi-Fiの届きにくさの問題なのかは、回線の終端装置に直接パソコンを有線でつないで速度を計測することで確認できます。Wi-Fi側の問題の場合にはアクセスポイント(Wi-Fiルーター)を強力なものに買い換える、あるいは中継機を入れるなどすることで改善する可能性が高いです。Wi-Fi接続されている場合には上記のスピードテストを、Wi-Fiルーターからの距離を変えながら行ってみるなど、ご自宅の環境を丁寧に調べてみることをお勧めします。

弊社が事務所で使っているケーブルテレビ回線は、上りが最大10Mbpsに制限されているのが難点。ただし、光回線にするとマンション共用設備の問題でもっと速度低下してしまうとの情報あり。

ソフト

Webミーティングツールには様々なものがありますが、現在世間一般で最もよく使われているのが「Zoom」です。一度も使ったことがない方は少なくなってきていると思いますが、パソコンでも、スマホやタブレットなどお持ちの他のデバイスでも接続できるように準備をしておくこと、また、実際にミーティングを行う直前になって焦ることが無いよう、接続テストをしておくことをお勧めします。

背景・室内環境

Webミーティングの際、話をしている相手の背景(=部屋の様子)は案外気になるものです。Zoomには「バーチャル背景」というカメラの前の人物以外の部分を画像合成してくれる便利な機能があります。ただ、バーチャル背景の設定には、それなりのカメラとパソコンのスペックを求められます(最近購入したパソコンなら大抵は大丈夫なはずですが…)。また、バーチャル背景を使えないWebミーティングツールもありますので、パソコンの使用場所は事前に背景をキレイにしておきましょう。壁やカーテンであればそれほど気にする必要はないですし、棚などがある場合にはさっと白い布でもかけてしまえばよいかもしれないですね。

また、背面に日当たりの良い窓があると、カメラに映るあなたの顔は完全に逆光になってしまい相手に表情が伝わりません。照明やカメラの位置によってはものすごく老けて見えたり、顔色が悪く(幽霊のように!)映ってしまうこともありますので、ぜひ事前に「カメラ写り」も確認して工夫しておくことをお勧めします。

ワンランク上を目指したい方

Webカメラ

パソコンについているカメラでは不満な方、サブモニタなどを使う場合にはWebカメラを別途用意すると良いでしょう。数千円で購入できます。細かいスペックは色々ありますが、マイクが内蔵されているかどうかはチェックしておくと良いでしょう。

ヘッドセット

形が同じようでも「聞くだけ」のものと「話もできる」ものがあるのでご注意ください。イヤホンの用に見えてもマイク内臓のものも沢山あります。長時間のミーティングを行うのであればBluetoothなどワイヤレスタイプが楽かもしれないですが、その分トラブルの際の切り分けは難しくなりますので、ITが苦手な方は有線タイプをお勧めします。接続するケーブルがUSBのもの、ステレオミニピンプラグのものなど、色々あります。ご自身が使うパソコンなどデバイスによって使えるものが異なりますのでよく確認して購入しましょう。変換ケーブルなどもありますが、安いものたとノイズがのったり音が途切れたということもありますので、できるだけ直接デバイスにつなげるものをお勧めします。

サブモニタまたは大型モニタ

私は普段、メインマシンとしてSurface Proを使っています。なかなか良い子なので満足していますが、携帯性を優先したチョイスなのでモニタが小さいのは否めません(もちろんキーボードも、、、)。そのため、事務所や仕事部屋では、外部モニタにつないで使っています。

元々は24インチの普通の?(いや、大きめの?)モニタをつないで出力していたのですが、最近導入したのが34インチの大型曲面ディスプレイ。
http://japan-next.jp/shopdetail/000000001041/004/O/page1/order/
設置した瞬間は笑えるくらい大きいですが慣れると普通になります。ウインドウを横に2枚並べて普通に使えますし、Zoomなどのミーティングの際も参加者の顔をしっかり見ながら共有画面を見られたり、あるいはこちらでも作業ができたりとかなり便利です。

もう一つはモバイルディスプレイです。
https://www.green-house.co.jp/products/gh-lcu16a/
こちらはリビングなどで作業する際、サブモニタとして使いますが、これもWebミーティングの際はとても便利です。サブモニタの画面は「別画面」としてZoomに認識されるので、こちらの画面を共有するときも切り分けなどもしやすくて助かっています。

ITスキル

Word

実務補習の際、PowerPointは使わないチームもあるようですが、Wordを使わないチームは無いはずです。これから勉強する、ということであれば優先順位が高いのはWordから。それも長文管理機能や校閲機能など、共同作業の際に便利な機能を学んでおくことをお勧めします。ただ、普段Wordを「正しく」使っていない場合、本当に基礎的なところで勘違いがあって困ったことになる方も多くいらっしゃるようです。

ご自身で勉強する時にお勧めなテキストを2冊ご紹介します。講習会でよく使うテキストですが、実習用データがダウンロードできますので、パソコンを触って操作を確認しながらスキルを身につけることができます。

https://www.fom.fujitsu.com/goods/word/index.html

基礎から学びたい方は「基礎」テキストをすべて確認していただくと、役立つ知識を沢山見つけていただけると思います。

実務補習で一番大事な共同作業に使えるテクニックを学びたい方は「応用」のテキストをお勧めします。時間が無ければ第4章・第5章だけでも、Wordを触りながらぜひ確認してみてください。

ミニセミナーのお知らせ(終了しました)

この記事を読んでもう少し詳しく知りたいと思われた方、ミニセミナーにぜひお越しください。特にスキルの部分はブログ記事に切り出すのも難しいのですが、実務補習に向けて事前に知っておいていただきたいなと思うポイントが沢山あります。

https://coubic.com/wans-one/624590#pageContent

Zoomでの開催ですので、全国どこからでもご参加いただけます。また、終了後30分程度の質疑応答を予定していますので、直接古澤にご質問いただくことも可能です。

  • 12月27日(日)9:30~11:00
  • 12月28日(月)20:00~21:30
  • 1月3日(日)10:00~11:30
    • 各回とも終了後、30分程度の質疑応答を予定
  • 参加費:1,000円(税別)

ITに苦手意識のある方に、実務補習の時に少しでも戸惑うことを減らして実務に集中いただけることを目的にしています。どうぞお気軽にご参加ください!