なぜモダンExcelは便利なのか
「パワークエリやパワーピボットがなぜ便利なのか、今一つピンとこないのですが…」という声を聞くことがあります。
なぜ、どこが、便利で業務効率化に有効なポイントなのでしょうか。その役割から紐解いてみましょう。
モダンExcelを構成する、パワークエリやパワーピボットの役割
パワークエリは、Excelブックの外にある多様な形式のデータを取得し、必要な形に整形し、ブック内にテーブルとして、あるいはデータモデルとして読み込むことができます。
これにより、業務で扱うデータを、元がどんな形であっても整ったデータとしてExcel内で扱うことができるようになります。
パワーピボットは、パワークエリからデータを「データモデル」として受け取り、必要なリレーションシップやDAX式によってさらにその形を整えて、ピボットテーブルとして出力することができます。
データモデルを元にしたピボットテーブルでは、従来のピボットテーブルではできなかった、複雑な時系列の計算や、数値を持たないフィールド(アイテム)の表示、DAX関数を用いた複雑な集計など、高度な集計・分析を行えます。
自動化の肝はパワークエリ

パワークエリによって作成された取得や整形の作業は、クエリとしてブック内に保存され、元データが変更された場合には一瞬で最新の情報に更新できます。つまり、定期的に繰り返し行われる集計を自動化する際のポイントとなるツールはパワークエリである、と言えます。
見たい集計結果を瞬時に作り出すパワーピボット

パワーピボットであれば、これまでのピボットテーブルでは集計できなかったような値も、メジャーを使って集計できるようになります。
さらにその結果を、ピボットグラフ機能やKPI機能で可視化することで、経営判断のために本当に必要な分析が行えるようになるのです。
ただ「こんな形の表を作りたい」「こんな感じのデータのグラフが欲しい」ではなく、「○○の要因を分析するために集計結果の切り口を変える」ことが瞬時に行えます。
同じ売上分析でも、単に「担当ごと」「商品ごと」「商品分類ごと」のデータを時系列に並べるのではなく、数年単位での推移や、総計比、他の指標に対しての比率やKPIなどを、切り口を変えながら確認できるようになります。
出来上がった表を見て満足するのではなく、結果の要因を知るための集計ができるのです。
Excelの限界を超える
Excelブックには、シートの限界があり、約104万行以上のデータを扱うことができませんでしたが、パワークエリを使えば、それ以上のレコードを持つデータであってもデータモデルに接続させることができます。
これにより、これまでのExcelの限界を大幅に超えた大量のデータを、Excelという普段使い慣れたツールの中で集計・分析ができるのです。
まとめ
モダンExcelは、パワークエリとパワーピボットを組み合わせることで、これまでのExcelではできなかったような複雑な集計・分析を自動化できます。さらにMicrosoft社はこの領域をさらに拡張しようとしています。新しいDAX関数も次々と追加されており、より高度な集計結果が求められるようになっています。
ぜひ、モダンExcelのスキルを習得し、明日からの仕事を楽に楽しくしてください!
その際にはぜひ、私の執筆した書籍をお手元に置いてくださいね。



