中小企業診断士がお勧めする決算前経費の使い方

決算前整理で黒字が予想される時、「何か買っておこうかな…」と思われる経営者さんは少なくないでしょう。

もちろん、事業を運営するにあたって翌期に利益を繰り越すことは大切ですし、事業者として納税ができることは喜ばしいことです。でもやっぱり経営者が「税金になるよりは、社内に残せるものにしたい…」と感じるのも自然なことだと思います。

実際に弊社で購入したものや、他社から依頼されたものから代表的なものをご紹介します。

弊社で購入したもの

弊社でも期末である7月になると「何か買っておくもの無かったかな?」と、事務所を見まわすことがあります。これまで購入したものには以下のようなものがあります。

備品類

  • オフィスチェア
  • プリンタ
  • スキャナ
  • サブディスプレイ

消耗品等

  • トナー類
  • 書籍

備品類はどこの会社でも真っ先に考えられることと思います。プリンタなどが古くなっている場合、10万円未満であれば一括償却可能ですのでこの機に入れ替えても良いかもしれません。特に「壊れたら即困るモノ」はこういった機会に入れ替えておくと急な不具合に泣かされることが少なくなります。

弊社の場合書籍は学習用のものもありますが、代表の著書を販促物として活用するため、広告宣伝費として計上しています。年間である程度の数が出るため、このタイミングでまとめて購入するようにしています。

広告宣伝費は調整がしやすい経費なので、これまで出稿していなかったようなところに依頼して結果を分析する機会にするのも良いかもしれません。

他社より依頼されたもの

他社から依頼されることの多いものをピックアップしました。

  • ホームページ作成・修正・機能追加など
  • パソコン等導入
  • 研修

弊社へのご依頼で最も多いのがホームページ作成等です。費用的にもまとまった額になるため、検討される経営者さんも多いようですが、期末ギリギリでのご依頼では期内に検収いただくことに間に合いませんので、お考えになられる際はお早目に相談されることをお勧めします。普段お付き合いのあるところであれば、すばやい対応も可能かもしれませんが、新たに業者さんを探す場合には月単位での日数がかかります。急いで作成して目的に沿わないものになっては本末転倒ですので、あまりお勧めできる経費の使い方ではないかもしれません。

パソコンの入れ替えをご希望されることも多いです。ただし一般的には、10万円を超える資産は一括償却ができません。最近は10万以下のパソコンはかなり用途が限られますので注意が必要です。ただし30万円未満であれば一括償却できる特例もありますので、パソコン入替を考える際は税理士さんにご相談してみてください。

私が最もお勧めするのは「研修」です。研修はご予算に応じて柔軟にメニューを選べるところも、使いやすいポイントかもしれません。

ただそれよりもなによりも、利益を社内人材育成のために投資し、以降の生産性を高めさらなる利益を産むための力とする、これが最も理にかなっているな、と思わせられます。従業員さんの側からも「自分たちためにお金を使ってくれている」と体感することでモチベーションの向上にもつながるはずです。

研修を弊社にご依頼いただければ嬉しい限りですが、そうでなくても構いませんので、今期の利益を研修に当ててくださる経営者さんが増えることを願っています。