Excelで「合計が合わない」のはなぜ?

Excelには様々な関数がありますが、実務でExcelを使う場合、本当は「関数を覚える」必要はありません。

使いたい関数が分かっているのであれば、ググれば使い方の解説はいくらでも見つかりますし、関数がわかってなくても「●●の計算 Excel関数」などで検索すれば、あるいはCopilotなどのAIなどに尋ねてみればどんな関数を使うのが良いか提案もしてくれます。

本当に重要なのはその前提を理解して、適切に計算ができることです。

例えば、四捨五入に利用されるROUND関数ですが、セル上に表示されている値はすでに四捨五入されたものが見えているのだ、ということが分かっていないと、使う場面を間違える可能性があります。

上図でもわかるように、同じように「33.3333」と表示されたセルでも、元の値が端数処理されているかどうかで、そのセルを参照した計算結果が異なってくるからです。

この図で言うと、B7のセルに見えている「33.3333」は、「小数点以下の表示桁数」を4桁としてセルに設定しているために見えている結果です。対してC7ではROUND関数を使って小数点第5位以降の端数を切り捨てています。

表示形式による処理と、ROUND系の関数を使って端数処理を行うことの違いというのは非常に基本的なことではあるのですが、実務上でExcelを使っていると案外見落としがちなポイントです。

特に金額の入った表や、比率などの集計をしている場面で、「合計した結果が、セル上に見えている値を足したものと一致しない」というご質問はよくいただきます。

この例でもわかるように「基本スキルを体系的に理解していること」は、Excelはもちろん、すべてのITツール活用において最も重要なポイントです。